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ユヌキャバンヌの「昨夜も映画を観てました」

Netflixドラマ『FOLLOWERS』-第4話

 

 

英題:FOLLOWERS
蜷川実花監督
全9話
2020年2月27日全話一挙配信(完結)

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この物語には、視聴者へのメッセージとなりうる要素が
すごくいろいろ含まれている。
多分、そのことは、蜷川実花監督も、理解している。
だが、それらの全部を伝えたいためにポイントを絞れなくて
結果、どれも伝わらなくなっている・・・あるいは、
「どれも、大して『伝えたい』と思っていない」。
「メッセージとなりうるものがあることを認識している」と、
「メッセージを伝えたい」とは、全然違うからなあ・・・

で、まあ、正直な所、どうでも良いんだけど、
結局、何がしたいんだこのドラマは。
どこに行きたいのかが見えてこない。
4~6話を観てみても、虚無が深まるばかりだ。
突破口は、いつ見えるんだろうか。
なつめとリミの邂逅の時はいつ訪れるのか。
ふたりの出会いこそこの物語の唯一の希望、と
わたしは思ってるのだが。
でも、出会う気配がまったくない・・・
つらい・・・。 観るのがひたすらにつらい・・・。
ろくな結末にならないという予感しかしない・・・。



【第4話 あらすじ】

女優の卵なつめ(池田エライザ)にチャンスが到来。
あかね(板谷由夏)が務める大手芸能事務所に移籍したことで
念願の女優の仕事が入るようになり、人気も急上昇していく。
だが、浮かれた彼女の軽率な言動を、メディアがキャッチ。
またたくまに炎上さわぎとなってしまう。
リミ(中谷美紀)は、昔の恋人タミオ(浅野忠信)と再会。
エリコ(夏木マリ)は、体調に違和感を覚えて病院へ。




【第4話 疑問・謎】

・ドリーミーな母の突然の来訪につきあわされて
 疲弊したリミが「血を吐く」、というジョーク演出
 ダサい。とてつもなく。


・思えば、
 リミが物語の序盤で流産したのは誰との間の子なんだ???
 タミオとは10年ぶりと言うから、彼との子ではないようだ。

・ゆる子は、一体何の用事で、あかねに電話をかけたんだ。
 さては、用事、ないだろ。あれは、
「芸能事務所は、所属タレントの話題作りのために、
 時にはこんなこともするんです」
 という説明をさせて「それっぽさ」を出すために
 ゆる子とあかねの電話シーンを入れただけだろ。
 そういう、説明のための説明みたいなの、カッコ悪い。
 しかも第4話全体を見ても、
 まったく必要性が感じられない説明だった。
 そういうの、めちゃくちゃ不細工だ。

・服飾ブランドの新作発表会? で、なつめとSAYO(中島美嘉)が
 全く同じドレスであわや鉢合わせ、というアクシデントが発生。
 あかねはSAYOにつきっきりで、新人のなつめのマネジメントは
 部下にでも任せているのだろう。それは容易に想像できる。だが、
 気まぐれなSAYOが予定と違うドレスを着てきて困ったのはまだしも
 あかねが、なつめのドレスを把握していない、というのは謎だ。
 いや、そういう手違いも現実にはありえるのかもしれない。
 でも、それまでのあかねの、なつめとの関わり方を見ていた限り、
 あかねは、なつめの衣装くらい、完全に把握していそうだった。
 そのくらいなつめにコミットしているかのように描いていた。
 なのに「イヤ、衣装までは把握していません」と落とされたので、
 違和感を覚えた。というか「あかね仕事できないなあ」って印象。
 同じ現場に、所属タレントを複数人いっせいに出席させる場合、
 その全員が着用する衣装を簡単に一覧チェックできるような、
 システムくらい、導入していないのだろうか。
 大手芸能事務所なのに。
 ばーっと画像で一覧チェックできれば、色カブリ対策くらいは
 できると思うけどね。やってないのかね。
 「大手芸能事務所」への全能イメージ強すぎか、わたしは。

・あかねの「お隣さんとの恋の予感」エピソードが
 この物語にとって何の意味があるのか、わからない。
 だがこのお隣さんのおかげで、知識層のキャラクターが
 ようやくひとり加わったことになるな。

・エリコが、本当に病気になった・・・ サマンサ過ぎる。
 どうでも良いのだがエリコの診察をする医師は、
 なんであんなに偉そうなんだ。タメグチ。

・なつめのモデル仲間たちがSNSで繰り広げる陰口の文言が、
 紋切り型で幼稚で、ダサい。陰口とは、もっと言葉を工夫して、
 さも自分は正しいことを言っています風にやるものだろう。
 あんなおこちゃまな文言で、言いたいこと言っているようでは、
 途中で自分が情けなくなってきて、書けたものではない。
 モデルなんて美人なだけでおつむは弱いです、と言いたいのか。

・蜷川監督が「3分に1回東京タワーを撮らないと脳が爆発する」
 という強迫観念にとらわれているのか・・・? と思うほど、
 東京タワーの映像が頻繁に差しはさまれる。
 第1話からずっとだ。
 あの東京タワーに何の意味があるのか。
 意味があるよ、と訴えているとしか思えない頻出っぷりだ。
 第1話~第3話までは、物語の構造に、強烈に内面化された
 未熟なフェミニズムを感じた。
 だから、個人的な解釈としては、あの屹立した東京タワーは、
 「『男のように』何でもできる、それがこれからの強い女」
 とか思っているリミの言わば内的「男根」の投影、と見ていた。
 女に「それ」はないけど、「それ」が生えてくるくらいの勢いで
 タフに男らしく生きるのよ! 的な、・・・そういうことだ。
 バカなことを言っていると思われるかもしれないけど、
 タワー状のものを、そういうことのメタファとするのは
 古典的な手法と言えるし、というかオーソドックス過ぎて
 今や誰もやらないくらいの感じじゃないかなとわたしは思う。
 だが、今回観た第4話~第6話では、
 「フェミニズム」とかそういうテーマ感が、
 もうすっかり鳴りをひそめてしまっている・・・。
 東京タワーに込められた意味も、だから、わからなくなった。
 まあ、意味がなくてもあっても、正直どうでも良いのだが、
 もし東京タワーでなくても別に良いのであれば、
 たまにはスカイツリーも入れてあげたら。 
 
・なつめは、一体、何を根拠に、自分は演技ができるとか
 すぐにも主役が張れるみたいなことを考えているのか。
 自分の言っていることがおかしいと思わないのだろうか。
 大手事務所に入ったから、言えばどんな希望も叶うと
 信じ切っているフシがある所が、非常に痛々しい。
 そもそも、なつめというキャラクターの造型には何か
 もっと決定的におかしな部分があるように思う。
 それがまだうまく説明できない。 

・パーティーで、VIPルームの前にセキュリティがいて、
 なつめは最初、通してもらえなかった。
 だが、なつめを迎えに来たヒラクは部屋にすんなり入ってきた。
 セキュリティはどこに行った。
 自分で作った世界観をものの1分で破壊しないでくれ。
 


【第4話 好感】

・なつめに嫉妬するモデル仲間の表情やしぐさが、
 あんまりわざとらしくなくて、良いなと感じた。
 思えばあのモデルたちは、なつめの初めての撮影の時から、
 ちょっとおもしろくなさそうな空気を出していた。

・タミオ、というか浅野忠信が順調にヘラヘラしている。
 「笑ってねえよ・・・」と言いながら煙草をふかす、
 タミオ、というか浅野忠信のヘラヘラした表情が良い。

・なつめの「ねえ電気消して」の言い方と、そのあとの
 「ふふっ」と笑うのが、自然でかわいい。

・エリコが体調の違和感に気付くシーンは良かった。
 実際、ああいうものなのかもしれない。

・本人役で出演の山田優が、のびのびとしていて良い。

・なつめの身の程知らずな言動に内心あきれるあかねの
 一瞬の表情が最高だった。
 あかね役の板谷由夏は、セリフも明瞭で聞き取りやすいし
 役者としてちゃんと仕事している感じを受け好感が持てる。


第4話は こんな所か。
率直に言って、もうこのドラマには
全然期待していないけれども、
一応最後まで物語を見守っていこうと思う。