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ユヌキャバンヌの「昨夜も映画を観てました」

Netflixドラマ『FOLLOWERS』-第8話

 

 

英題:FOLLOWERS
蜷川実花監督
全9話
2020年2月27日全話一挙配信(完結)

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はあ・・・
やっと第8話まで来た。
まだあと1話分 残ってるのか・・・
辛。



【第8話 あらすじ】

なつめは一大決心し、念願の映画製作に着手する。
男の子を出産したリミは、仕事と育児の両立に苦戦。
ゆる子は恋人にプロポーズされ、人生の岐路に立つ。
あかねがマネジメントしてきたミュージシャンのSAYOは、
所属事務所から見放され、活動の場を失う・・・。



【第8話 疑問・謎】

リミたちお姉さん勢ときたら、
ものごとへの対応が、幼稚で短慮で目に余る。

何か困ったことが起こった時、このお姉さんたちは、
まずそこにある「人間関係」を、やめようとする。
自分から相手を切り離す、という選択をするのだ。
というかそれしか対応のしかたを知らない。
相手と話し合って、問題を解決できないか考える、
そのような選択肢は、模索さえしない。
勝手に決めて一方的に切る、それだけだ。

リミは、ゆる子が恋人との結婚を望んでいると知ると
すぐさま職場の人員を増強し、ゆる子に解雇通告。
10年一緒に働いた、自分の右腕の今後の話だってのに
お手軽だなオイ・・・

ゆる子も、恋人に「結婚してアメリカに行こう」と
言われたことを、リミにひとこと相談さえせず、
人知れずあきらめて、恋人と別れて・・・。

会社がSAYOを必要としていないと知るや、
あかねは、会社から、自分とSAYOを切り離した。
まあそりゃできるものならやれば良いとは思うが・・・
あかね自身がSAYOの音楽に本心から惚れ込んでいる
ということを示す描写が脚本上まったくないために、
SAYOを道連れに独立したことも何か納得しにくい。
SAYOから表現活動の場を奪わないために、
SAYOの才能を証明するために、・・・みたいな
利他的な動機を感じにくいのが、なんかな・・・
「SAYOをここまでの売れっ子にしたのは私の力よ」
つまり自分のために独立した、としか受け取れない。
別に良いけど。

リミの仲間内では一番の人生の先輩であるエリコでさえ
自分の病気が発覚すると、恋人との関係を一方的に切った。
病気のことをちゃんと話さず、相手の意向を聞きもせずに。
年若い恋人の将来を思って身を引いた風の描写だったが、
彼女ののちの言動を見ていると、やっぱり単に、
自分自身が傷付きたくなかっただけ、に思える。

まとめると、多分リミたちは、
他者を全然、信頼してないな。
自分が必要な時に必要な分だけしか、
「他者」から引き出そうとしない。
他者の何を引き出すかと言うと、
能力、愛情、言葉、ぬくもり、いろいろだが。
相手がどう思うかはわからない、
何もかも失うことになるかもしれない、
でもとりあえず自分をさらけ出して委ねる、
・・・そういうことをしない、リミたちは。

 

 

【第8話 好感】

なつめたち若者サイドは、
臆病だけど、お互いを信頼する姿勢を備えている。
信頼というか、やや無謀と言っても良いほどだ。
臆病なのに無謀(笑)
それに、協力してことをなすという選択肢も知っている。
人とつながり、頼ることで、可能性を拡げていく。
映画を作りたい! 監督はヒラクだよ! 
なつめが、ヒラクの映画製作の技量も知らないのに、
ポン! と自分を丸投げした場面は良い。可愛い。
この子なに、こわ!!! と思ったけど。

エリコに別れを告げられてしょげていたスエオに
ハッパをかけたのは、エリコの一人息子だったね。
彼らのプロポーズ大作戦はかなりアレな仕上がりで、
プールが、不潔きわまる殺人現場か何かに見えたが、
真剣さは伝わって、まあまあ好感が持てたよ。


【ふと走る悪寒】

話は変わるけど 
リミよりも、彼女のお母さんの方が
新しい価値観を柔軟に受け入れていってるね。
回を追うごとにおしゃれになっていってるし、
いろんな人からいろんなことを吸収して、
マイペースで日々を楽しんでいる。
あの描写も何なのかね、育児の件。
お母さんは、ミルクも活用したら、と助言する。
だがリミはあくまでも母乳育児にこだわる。
搾っても出ないものは出ないのに、そうすることが
「(我が子に)できる限りのことをしてあげる」
ことだとかカンチガイしているのは、リミの方だ。
一生懸命なのは結構なのだが・・・、
「できない、じゃあ他の手を探そう」みたいな・・・
リミちゃんてそういうの、あんまりない人?

なんか怖くなってきたんだけど。
結論めいたことを先に言っちゃうんだけど、
もしやリミとその仲間たちは、
新しい世代の踏み台にされ時代に取り残される、
そういうポジションに配置されているの?
だって母親世代にまで置いて行かれちゃってるよ。
しゅ、主人公なのに? 
リミ主人公なのに?
え、このドラマって、そんな実験系?
監督は、自分が何をやろうとしているか
ちゃんとわかっているのだろうか?

マジか。
もし本当に 先を行く世代と
それを見送る世代を描く中で、
主人公を「見送る側」に設定してるとしたら
けっこう斬新だし残酷だし・・・
すいませんなんかちょっと監督
病んでませんかね・・・
正直言ってそんな構造、思ってもみなかった、
ここに来るまで。

え~・・・ も、もうあと1話しかないぞ。
どう収まっていくんだ、この物語は!!!